2009年07月02日

故人献金問題

自民党のゴタゴタぶりは目もあてられない。
麻生首相が弱小派閥の悲哀を味わうことになっているが、派閥闘争こそが政権維持のエネルギーなどという時代は大勲位の首相時代で終わっている。
これでは、自民党が与党を維持することなど、夢のまた夢だ……

さて、本題。
民主党・鳩山党首の個人献金について、故人からの献金、本人が了解していない献金の問題。
鳩山由紀夫(62) 民主党代表 「個人献金少なく、大変」経理担当の虚偽どう響く(産経iza 7/1)によれば、虚偽記載は2005(平成17)〜08年の4年間で約90人で193件、総額2177万8000円ということを本人が発表。
その理由として、鳩山への個人献金が少ないので秘書が勝手に水増ししたもので、原資は鳩山の資産とした。
要するに、見栄をはった、ということになるのだが……
匿名献金が突出 鳩山代表、5年で2億3千万円(朝日新聞 7/1)などで、自民総裁、民主党代表クラスの大物政治家と比較しても突出して個人献金が多かったことで、理屈が崩壊している。
これを「代表自ら問題があると認めた上で説明責任を果たされた。わたし自身は納得している」(民主・岡田幹事長)→産経iza 7/1とはとてもいえまい。

まあ、普通に考えれば、大口献金(限度額をこえるような)か、やましい献金を架空名義で処理したと見るだろう。

実際問題として、政治家として満足に活動するためには、現状の公的な政治家への待遇では不十分である。とにかく資金を集めなくてはいけないのは事実であるから、大物政治家たるもの、叩けば埃は出るものだ。

結局、自民党のいうとおり、個人献金だろうと企業献金だろうと、“汚職”とは関係ないということになる。どんな制度を作っても、使うのは人間だ。
問題の根幹は政治には金がかかるのに、それが十分に補償されていないということに尽きるのだが。

ただ、鳩山の“言い訳”はあまりに稚拙。
その上、かつては秘書の任命責任だとか、団体の運営責任だとかを追及していたのに、自分のこととなると掌を返すダブルスタンダードは見苦しい。
マスコミも含めてだが、その厚顔ぶりにはおそれいるとしかいえない。
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2009年06月24日

東国原知事のネタ

東国原氏「総裁候補が条件」 自民・古賀氏の衆院選出馬要請に(産経iza 6/23)
“東国原劇場”「計算し尽くされた発言」(産経iza 6/24)

ネタにマジレスいくない!w
というわけで、ああ見えてなかなかしたたかな東国原知事。
通るとは思っていないだろうから、断ったと同意語だ。
これをもって東国原を批判しているようでは、既に彼の術中だ。

まあ、今までコツコツ当選回数を重ね、あるいは地方から国政に抜け出せずにいる人たちには、腹がだつんでしょうけどね。
マスコミなら、喝采すべきじゃないんでしょうかね?
これこそ、二世議員でも地盤禅譲でもない人間が“チェンジ”を要求しているんですから、今までの彼らの主張に沿ったものだと思うんですがねぇ。

ともあれ。地方をなげうって国政に出るということになるなら、自分の思う政治をできるような状況じゃないといかないよ、というのは、それはそれで筋の通った態度であるように思う。
政治家たるもの、国家国民のため、自分が最良と思う政策を実現するために活動しているわけで、単なる比例票集票マシーンとして立候補させられ、おためごかしでポストをつけられるくらいなら、それを受けない。政策を実現できる環境ならうける、というのは政治家として一つの見識であろう。
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自民党よ、民意はそこにない!

総裁選前倒しに賛同者が「108人に」 自民党・山本拓氏(産経iza 6/22)

こんなことしてるからダメなんだ。
「なにかしてくれるかも」という(根拠のない)民主党の政権交代の期待感に対抗するには「実際に実行しています」「だから、さらにこういうこともできます」という政権としての実績をベースにした期待感で対抗しなくてはダメだ。
人気のある人をかつげば、勝てるかも、などという底の浅い考えは、愛想をつかされるだけである。
まあ、大阪の橋本知事や小泉元総理でも担ぎ出せるのであれば別だが、そんな大胆なことはできないのであろう。
安倍の後の福田でまだ懲りていないのだろうか?

自民党が支持率を回復する要なのは、麻生総理を支え、彼の政策を大胆に実現に移してみせることだ。
政権党としての“実力”をみせることこそ、自民党の支持率UPにつながることだと思うのだが。
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2009年06月23日

刑事一代〜平塚八兵衛の昭和事件史

テレビ朝日開局50周年記念ドラマ
昭和の名刑事・平塚八兵衛を描く。

原作は産経新聞記者が聞取し、同新聞上で連載後、加筆修正されて出版されたもの。
さすがにドラマ中では産経新聞が産政新聞にされていたが、犬猿の仲である産経新聞のものを原作にするとは大したものである。
だが、それだけ、平塚の“肉声”を重視したのだろう。

内容的には「吉展ちゃん事件」を軸にし、そこに至るまでに平塚の“活躍”を描き、同事件で一つの頂点を迎える。しかし、直後に刑事晩年の「三億円事件」では捜査手法が通じずに迷宮入りのまま退職する。そのキャップ時代に「吉展ちゃん事件」の犯人であった小原から、平塚へ感謝の意を伝える(言伝の)電話が入った時点が、彼の“名刑事”としての時代の終わりを象徴するシーンとしてインサートされていたのが印象深い。

この番組でも取り上げられた帝銀事件は、平塚視点では「真犯人」だが、冤罪の疑いも強くつきまとう。また、劇中でも見られたように、強引な捜査手法、組織になじまないやり方は批判も多い。一方で、やはり「吉展ちゃん事件」に見られるように、「名刑事」の名にふさわしい活躍も見せており、功罪合い半ばする人物だ。

劇中での描かれ方は、原作からして「平塚視点」のものを、ドラマとしての脚色をしたものであり、真実としてうけとってはいけないものだ。
だが、劇中も触れられているように、あれだけ組織に逆らった人間が重用され続けたというのは、彼の評価の一端をあらわしているだろう。
時代が変わり、破滅型芸人がいなくなったように、こういうスタイルの刑事などもう出てこないだろう。それがいいことなのか、悪いことなのか…点

さて、珍しく日本ドラマなどとりあげたのは、このドラマの出来がよかったからだ。
主役、平塚を演じたのは、名優・渡辺謙
訛のある垢抜けないオヤジを、見事に泥臭く、しかし、見事に光らせていた。中年期から晩年まで、特に晩年の風貌、立ち振る舞いはすばらしかった。写真と見比べると姿形が似ているわけではないのが、雰囲気が出ているとでもいえばよいのだろうか。

また、吉展ちゃん事件の犯人役、萩原聖人の演技もよかった。渡辺に対峙しても食われないだけの演技をしてみせたのは立派である。

そして、脇役陣も高橋克己、山本耕史大杉漣ら演技力のある渋いメンバーが脇を固め、重厚さを出していた。
一方で、小泉孝太郎は劇中では10年ほどを経ている筈だが、それが表現できていなかったし、柴田恭平はモダンすぎて浮いていたように思えたが。

惜しいと思うシーンもないでもないが(屋外ロケでの遠景など)、よくできていた。
記念ドラマということで、予算が通常のドラマより多かったというのもあるだろうが、話題性優先の演技力のないタレントや芸人を使わず(除く、産政新聞記者2名)、骨太の制作であった。
こういった良質なものをつくっていけば、視聴率などすぐに回復するだろうに。
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2009年06月20日

民主党参院会長「臓器移植法案を最優先でやらなければいけないとは思ってない。急がなければ死んでしまうという話でもない。」

さて、臓器移植法律は参議院にまわった。
今回、賛成に回ったのは自民党議員が中心であったため、民主党が多数をしめる参院では難航が予想されている。
というか、その民主党参院のボスの言葉に唖然とした。


臓器移植法改正案に対する民主・輿石参院議員会長の発言について(産経iza 6/18)
民主・輿石氏「急がなければ死んでしまうわけでもない」(国を憂い、われとわが身を甘やかすの記 6/19)

民主党の輿石東参院議員会長は18日の記者会見で、「臓器移植法案を最優先でやらなければいけないとは思ってない。急がなければ死んでしまうという話でもない。一日も早く救いたい気持ちは分かるが」と述べた。


なんという発言だ。
これが与党だったら、バッシングで辞職モノだろう。
法案に賛成反対があるのはかまわないが、急がなければ死んでしまう人はいる。
移植のために渡航しながら、手術直前で逝去したという例は、一つではない。

それに、生活保護法改正案のほうが重要法案であるかのような発言もどうか。
直接、生死を左右する、そして日本の国家としてのふるまいを決める法案より重要であるとは私には思えない。
というか、私には自民党・中山太郎、山内康一議員が主導した法案(超党派で民主党の得点にならない)より、民主党の選挙対策になる法案のほうが重要といっているようにしか聞こえない。


臓器移植法改正案、解散にらみ審議…参院採決7月以降に(読売 6/19)

自民党が19日の参院本会議での趣旨説明を求めたのに対し、民主党は「早急すぎる」として反対したため審議入りは早くても24日となることが固まった。
民主党の輿石東参院議員会長は18日の記者会見で「最優先でやらないといけないとは思っていない」と述べ、早期の実質審議入りに慎重な考えを示した。


自民党が求めた早期審議を拒否し、解散をにらみながらという政局の具にするとは、もっての他だ。

参議院での審議がどうなるのか、注目したい。
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2009年06月19日

臓器移植法案「A案」衆院可決

一転、臓器移植法案「A案可決」賛成263票(産経iza 6/18)

臓器移植法案は意外なことにもっとも“緩い”A案が可決された。
私はこの案が一番望ましいと思っていたので喜ばしい。
その理由について、論点ごとに。

子供移植
例え0歳児でも子供の移植は認めるべきである。
今の日本は、移植を必要とうする子供は海外渡航をしている。これは“金持ち”だけが助かるということに他ならない。
そして、海外であってもドナーが潤沢なわけではない。いわば日本人は「金」でその国で移植をまっている人の順番をとばして臓器を買っているのだ。
もちろん、親であれば、どんな手段を使っても我が子を助けたいという気持ちはよくわかるし、それを個人単位でせめるつもりはない。
しかし、日本という国単位で考えてみるとどうだろう。
脳死判定、子供の臓器移植という「難しい部分」を国内では「蓋」をして見ないふりをして、軋轢を回避。それでいて、金にものをいわせて国外の臓器移植に、その国の人を後回しにして割り込む。
国内“だけ”を安寧とし、移植を望む国民と、移植先の国外に負担を押し付けるという図式になっているではないか。
だから、今回の全面解禁は、政治として当然の判断だと思う。子供の臓器移植がダメだというなら、国外渡航による臓器移植も禁止すべきなのだ。

・脳死の是非
将来的に人工臓器、ES細胞による臓器複製といった技術がすすんでくれば、臓器はいくらでもとりかえがきくということににもなりかねない。だから、どこかで脳死を人の死として認めなくてはならない。
確かに心臓が動いているというのに「死」だというのは、家族にとって受け入れがたいというのは理解できる。
判定の方法はまた議論があってもいいが、脳死の他の案件を満たす上に、自発呼吸ができないというのは一つの目安ではないだろうか。つまり「自然」にしていれば、心配停止になるのだから。
また、脳死という「復活」がありえない、もしくは著しく可能性が低い状態の人間に、高度医療を継続することは、医療崩壊が叫ばれている今の日本医療にとって負担である。日本という国家の医療リソースが不足している今、より大きな可能性にリソースをさかなくてはならないだろう。それは“政治”の判断として正しい(とても残念なことでもあるが)。

・脳死の判定
まず、脳死状態と植物状態は違うということは大前提である。
その上で、脳死判定が妥当なものであるかどうかは、議論して決めればよい。
厳しくとるのか(絶対に間違いない、というレベル)、標準的にとるのか(脳死とみて妥当、というレベル)はそこでの議論だ。
ただ、やはり自発呼吸できないというのは、一つの大きな指標であるように思える。
そして、あまりにレアケースを議論していては社会的な行為はなりたたない(当事者にはつらいことではあるのだが……)。

※ただし、脳死の判定は臓器移植法は臓器移植の手続きについて定めた法律で、移植につながらない脳死判定による死亡宣告は法律上ありえないとされている。
※また、臓器提供や脳死判定を拒否する権利は保証しており、無理強いされることはない。


・移植の意思
家族の同意での移植意思は妥当なものといえよう。
例えば、葬儀の方法を考えてみよう。
故人の意思があれば、それを普通の家族なら尊重するだろう。
意思がなければ、家族は故人にとって最善と思えることをするだろう。
非常に乱暴なくくり方だが、死後の遺体をどう扱うかという意味において、葬儀も移植も同じといえないだろうか?
今でも、大学病院で逝去すると、死因特定の解剖をするかどうか、遺族の意思で決めている筈だ。
故人の意思に反して云々というのは、葬儀にだっておこることだし、遺産分配だってそうだろう。あるいは、生前にだって軋轢はおこる。
それは、「家族」の問題であって、ことさら移植法の問題点とするには弱いように私は思う。


今回、この法律は、党議拘束を外し、記名投票による個人投票という形になった。
この事については、各党を高く評価したい(共産党を除く)。
そして、世論が分かれるであろう法案を、衆人環視のもと、それぞれの意思で賛否を決めた議員たちには、政治家本来の仕事をしたものとして評価したい。
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2009年06月16日

三沢光晴、墜つ

プロレスリング・NOAH社長、三沢光晴選手がなくなった。
その状況についてはいまさら繰り返さない。

ただ、越中との前座名勝負、タイガーマスク2世、選手大量離脱から怪物・J鶴田、そして、鶴田超えから四天王プロレス。馬場、鶴田の逝去とNOAH設立
その時代を共有してきた私には、ショックが非常に大きい。

そして、NOAHの今後が心配だ。

今回の事件で“四天王プロレス”への批判もあるが、私はそうは思わない。
90年代、あの四人を中心に、秋山や殺人魚雷コンビ、ハンセンといった全日の至宝たちには、あのレスリングが可能であったし、やりとげることができたのだから。
あの時代、あのメンバーにおいては“正解”だったのだ。

ただ、問題は、46才になっては同じプロレスはできないということだ。
NOAHの悲劇は、次世代エースの育成に失敗したことだ。
絶対的エースだった小橋が病というアクシデントで、次世代エース候補として実際になりかけていた秋山も病を得て、その次の世代がなかなか育たなかった。
その中で、若い頃と同じレスリングスタイルは無理があった。
次世代に受け継がされるべきだった四天王プロレスをやり続けねばならなかったこと、その状況が悲劇だったのだと思う。

NOAHにはストーリーラインがない。
ストリーラインがないから、試合で魅せる。
試合で魅せるから試合が激しくなる。
それも総合格闘技ではありえない「技を受ける」というスタイルで。
ストーリーラインがなければ四天王プロレスをせざるをえなくなる。
しかし、ストリーラインがあれば四天王プロレスも、それ以外のプロレスもできる。
NOAHは、今後、ストーリーラインを導入すべきではないだろうか。

考えてみれば、全日本90年代も、実は(意識的にしろ、無意識にしろ)強いストーリーラインがあった。
それは、「鶴田超え」「ハンセン超え」という世代闘争だ。
そして、四天王時代は「プロレス界の頂点を目指す」というストーリーだ。後者は意図的でない可能性が高いが、外的と交わらない全日は、自分たちの試合を深化させることで業界のNo.1であることを示そうとする形になっていた。

地上波をもたなくなったNOAHは連続ドラマ式のストーリーラインを繰り広げることは難しい。
それでも、ヒールとフェイス、リンピオとルード、日本人とガイジンというようなストーリーラインはつくれる筈だ。
“明るく”“楽しく”、そして“激しい”プロレスをつくるしかない。
そして、斉藤は、そこで「死神」として起つべきだ。
「“殺人”バックドロップ」で、「殺してほしければむかってこい」と煽るのだ。
もちろん、彼も会社も、相当な批判に晒されるだろう。
しかし、かつてのヒールたちは、観客に襲撃されかねないほど憎まれていた。
そして、座して衰退するよりは“物議”をかもして、うってでたほうがよいのが、日本プロレス界の状況ではないだろうか。

なにより、彼が「死神」「殺人バックドロップ」を名乗り続ければ、それだけ、“三沢光晴”の名は“現役”としてプロレス界に残るのだから……
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2009年06月12日

日経平均株価、終値で1万円台回復で思う

12日の東京株式市場は日経平均株価の終値が約八ヶ月ぶりに一万円台を回復した。
週末の終値に1万円台を超えた心理的意味合いは大きいだろう。

それにしても、株価低迷時には、ひたすら政府を叩いていた民主党はどうしたものか?
株価が下がると政府の失策だと叩きまくったのだから、上がったら政府の功績を讃えるのが筋というものだろう。

ただ叩きやすいところを叩くというだけの、ダブルスタンダード性、あるいは戦略のなさを露呈しているとしか思えないのだが。
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2009年06月03日

敵地攻撃能力と軍拡と集団的自衛権

麻生首相ぶら下がり詳報】法理上は攻撃可能(26日夜)(産経iza 5/26)というのが出た。
確かに昭和31年2月、鳩山一郎内閣の船田中防衛庁長官が政府統一見解として、次のように答弁した。「わが国に急迫不正の侵害が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだとは考えられない。他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能だ」と答弁しており、敵地攻撃も可能との政府見解を示している。

※ただ、その後、敵地攻撃はタブー視され、昭和44年に導入決定されたF−4ファントム戦闘機からは対地攻撃能力や空中給油装置がはずされている。また、空中給油機も1980年代か空自からは導入の声があがっていたが、実際には2008年にようやく配備開始となった。敵地攻撃能力をもたないように装備を規制してきた事実はある。

この麻生発言に対して、思ったほど“反発”がないのには、正直、驚いている。
民主党も党首の祖父が絡んでいるとあっては突っ込みにくいのか、党内右派と左派をまとめられないからなのか、静かだ。また、世論も、よほど北朝鮮の行動が腹に据えかねているのだろうか。

ただし、現在の自衛隊には北朝鮮を攻撃する能力はない。
現有航空機に対して北朝鮮は遠い。空中給油機があっても、それで北朝鮮に同時投入できる機体の数は限られている。北朝鮮防空網を突破することができない。
当然、エアカバーがなければ陸海自は行動不能(コマンド部隊の特殊作戦はできるかもしれないが)。
護衛艦に巡航ミサイルをつむこととしたとしても、は通常弾頭型ではよほどの数をそろえなくては効果が薄い。威力的にはミサイル1発=爆弾1発でしかないのだから。更に、攻撃目標をあらかじめ精密に特定しておく必要もあり、移動式ミサイルキャリアーなどには対応できない。

ということは、自衛隊出身者を含む自民党国防族はよくわかっているようだ。
自民の防衛大綱提言の最終案、防衛費縮減の撤回を要求(産経iza 6/2)
ということで、“軍拡”の方向を打ち出した。
敵基地攻撃能力をもつためには、当然、そういうことになる。
また、師団を旅団に改変するなど規模縮小を余儀なくされている自衛隊は、増大する海外任務に対して、現場の負担がかなり苦しくなってきている。戦闘部隊として維持できる最低限まで縮小されてきているので、海外派兵のために人員・装備を供出する(それもローテーションになるわけだが)と、部隊の戦闘力が維持できない。そして、その部隊数自体が最低限のものになっているわけだから……。
中国が明確に軍拡を指向し、ロシアは超大国として復活しつつあり、なぜだか韓国は敵視する中、今まで以上に国外任務も増えていくというのであれば、自衛隊は拡充しなければなりたたない。
軍事力は“相対”で評価すべきものであるが、一朝一夕で整備できるものではない。対比の開きが明白になってからの整備では間に合わないのだから、今のタイミングで軍拡方針を打ち出すのは正しい。

とはいえ、それでも実際的な敵地攻撃能力を保有するのは困難だ。
空母や戦略爆撃機でもなければ、日本本土から攻撃できる“敵地”などたかがしれているが、それらを整備することはほとんど不可能だからだ。
ところが一方で、こっちの論議も出てきた。
麻生首相 集団的自衛権行使の解釈変更を本格検討へ(産経iza 4/24)
内容的にはミサイル迎撃やPKOでの多国籍軍連携がうたわれているが、先の敵地攻撃の話と組み合わせると……例えば、韓国の基地に空自が展開して北朝鮮に空爆を行うことも可能ということになる。

とはいえ、平時にはなかなか難しいだろう。それでも、第二次朝鮮戦争ということにでもなれば、ありうる話ではないだろうか。
あるいは、政府自民党は、第二次朝鮮戦争の危険性が高くなってきていると分析しているのかもしれない。
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2009年05月28日

民主党の“シーレーン防衛”策

本日の予算委員会の中継において、民主党が補正予算に「しきしま」並の大型巡視船が組み込まれていない理由を質問していた。

そもそも「しきしま」は放射性物質輸送という本来は海軍の領分であるにもかかわらず、日本の国内事情から海保に任された任務艦としてつくられた特殊な艦である。海保の本来業務である沿岸警備にはオーバースペックなしろものだ。

それをわざわざつくれ、というからには、民主党にはなにか政治的思惑があるはずだ。
って、ソマリアの件を思い起こせば、民主党は、シーレーン防衛を海上保安庁に大型艦を所有させて行わせようと思っているということだろう。

単純に予算だけ見ても海自との二重投資
警察に重武装させて、日本に侵攻してくるゲリラと対戦させましょう(そして、その間、陸自は待機)といってるのと同じことで、効率的にも無駄なことこの上ない。

大体、沿岸警備隊は準軍事組織、米では第5番目の軍などといわれているし、有事には海軍の指揮下に入って海軍補助艦艇として活動することも多い。米沿岸警備隊は朝鮮戦争やベトナム戦争にも参加している。ノルウェー沿岸警備隊は平時から海軍の指揮下だ。
日本の海上保安庁だって、ミリタリーバランスやジェーン海軍年鑑で扱われているように、有事には軍事力として活動すると国際的には認知されている。

必要な場所に必要な艦艇を展開しようとすれば、同じ戦力が投入されることになる。所属が海保だ海自だというのはおためごかしでしかない。

民主党の安全保障はあいかわらず全くあてにならないようだ。
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