公開するしないで散々もめていた、尖閣諸島での中国漁船による巡視艇への衝突事故の動画。
ついに、Youtubeで流出するという展開を迎えた。
国会に提出されたものが、6分50秒。今回の動画は44分。全編では2時間。
ということで、ある程度、編集されたものだが、提出されたものとは違う。
つまり、野党から流出した線は消える。
ある程度、まとまった編集になっているので、これは、正式な編集ではないかと思う。「機密」とされる接舷の様子が省略されているあたりも、本格的な編集を感じさせる。
一部報道によると海保が那覇地検に証拠用として(原本とは別に)編集した映像に近いという。
しかし、政府部内では対中強硬派は前原外相くらいであるし、流出させれば政権にダメージになることを思うと、民主党政府から流出とは考えにくい。
なにせ、秘密公開当時のコメントは
小林興起民主党衆院議員「向こうが逃げまどって、当たっちゃったということだ。衝撃があるような当たり方じゃない。ぶつかる瞬間はカメラの位置からして見えない」
福島瑞穂社民党党首「車が道路でちょっとコツンとぶつかるような、あてて逃げるという映像だ」
などとしていた。
これがもう「嘘」としか言えないレベルであることは明白だ。
民主党にとってダメージになることは間違いない。
ビデオの内容でも非難され、一方で、流出してしまったことは当然、非難されることだ。
この流出は二重の意味で、どっちに転んでも民主党政権にとってダメージになるという事態であり、民主党側から「骨を切らせて肉を断つ」ような狙いとするには、ダメージが大きすぎる。
また、ユーザー名がsengoku38(仙谷左派? 仙谷さんパー?)という、この事件を取り仕切ったといわれる仙谷官房長官を揶揄するようなハンドル名であることから、政府の対応に不満をもつものによる仕業であろうとも類推できる。
ビデオを撮影したのは石垣海上保安部、国会用に編集したのは那覇地検。それと報告を受けた海保本庁と政府。
この中で、自分のキャリアを失っても政府を告発したいと考えているものがいるとすれば、やはり「現場」であった石垣海上保安部か那覇地検だろう。
ここからは単なるカンの範疇だが、那覇地検が流出元ではないだろうか?
編集映像をもっているというのもそうだが、民主党は検察に対する「圧力」を強めているし、今回の事件では那覇地検は民主党政権から責任をおっかぶせられている。不満がたまっていることは想像に難くないからだ。
ところで、これを流出させた「当人」は「義挙」のつもりだろうし、国民の間でも、そう捉える声がある。
しかし、これは明らかに犯罪行為であり、日本の機密保持能力が疑われる事態だ(元々、米国が日本にF-22の販売を渋った原因の一つともいわれている)。
こうした「目的のために手段を選ばないこと」が持て囃されるようになることは、最終的には社会不安の増大──暴力革命にまでつながりかねない行為だ。かつて、チ・ゲバラらは「民衆が望むテロをおこす」ことで、都市部の民衆を暴力革命支持者として取り込んだように。
もちろん、そのような「国民の鬱屈」をもたらした民主党政権の外交運営は最悪であるといわざるをえない。最初から公開する、あるいは粛々と起訴をすすめていれば、いや自民党レベルの最初から会場で釈放してしまう対応でもいい。そうすれば、このような事態にはおちいらなかった筈なのだから。